徒然なるままに

 『翼がないから、人は飛び方を探す』

 

私が好きなマンガに、こんな台詞があった。初めてこれを読んだとき「いやいや、何をどうがんばっても結局人は飛べないじゃないか」と思った。さて、あなたはどのようにこの台詞をを捉えただろうか。

 

話は変わるが、私は現在、一人暮らしをしている。ふとした拍子に「実家に帰りたいな」と感じることがある。振り返ってみると高校時代は、多感な時期だったせいなのか()、家族と会話することは少なかったように思う。それでも唯一、自分が熱く話していたことがあった。それは、自身の部活のことである。当時は水泳部に所属しており、とても熱心に打ち込んでいた。毎月のように開催される大会や記録会は、エントリーが任意なものであっても全て欠かすことなく出場した。また、それを応援するべく、母はいつも試合会場に足を運んでくれていた。私は、試合後の帰りの車の中でだけは、決まって口数が多い。運転中の母に、今日の泳ぎの感想や反省、次への意気込みを語り続けるのだ。家に着くまでずっと、母はそれを聞いてくれていた。到着して車を降りる前、最後に必ず「次も楽しみだね、がんばれ。」と言ってくれる。その言葉に、毎度のことながら励まされた。

生活が変わった今年度は、新たなルーティーンが出来上がった。試合を終えて考えたことは、気が向いた時にノートに書き連ねるようにしたのである。感想や反省を形にするという点においては、高校時代とやっていることに何ら変わりはないのだが、それでもやはり、どこか物足りなさや寂しさを感じていた。多くは話さなくとも、いつもエールを送ってくれる家族が身近にいることの心強さと温かさに気づかされた一年間となった。

だからこそ今、私は、あのマンガの台詞についてこう思う。たとえ飛べなくとも一生懸命羽ばたこうとしている姿が、すなわち自分らしく必死に何かに打ち込んでいる姿が素敵なのではないかと。願わくは、そんな姿を岩手にいる家族に届けたい。そして、なれるならばいつか自分も、自分の母のように、誰かにパワーを与えられるような、そんな人間になりたい。

 

最後に。

ソフトボールはチームスポーツだ。チームというのは頼もしく、時に煩わしく、力強い味方であり、重圧だ。けれども現在も尚、自分はこのチームに所属し続けている。全てをひっくるめて、ここが意外と心地よい場所になっているのかもしれない。

 

入部してから早一年。昨年同様にまた、やわらかな陽射しが降り注ぎはじめた。今年は一体どんな素敵な出会いが待っているのだろうか。胸を踊らせながら、大学生活2年目の春を迎える。 (文責:2年 加藤 純奈)